部下の言い訳は上司にも責任がある
言い訳を言わせる責任は上司側にもある
「24時間治らない風邪にかかってしまいました」
「お母さんが仕事に行かないほうがいいと言いました」
「お得意先に言ったら、全員休んでました」
ここまでは極端でないにせよ、「チェックを頼んだ相手から返事が戻ってこなかったので、今日の締め切りに間に合いませんでした」などの言い訳を平気でする部下はいるのではないでしょうか。
言い訳を使う部下の問題もありますが、上司側の責任もあります。そこで、言い訳の要因は何かをたな卸しをし、その人を前向きにする質問の仕方を取り上げます。
目的があいまいな質問が、言い訳を増やしている
上司:「A君、例のB社の提案案件だけど、とれそうかね」部下:「えーとですね、この間からプッシュしてるんですけど、どうもあいまいな返事しかくれないんですよ」
上司:「この間、上層部に話を通す段取りができたといっていたじゃないか。それはどうなったんだ」
部下:「してくれてるはずなんですが、向こうの上司も忙しいみたいで時間がとれないようなんですよ」
上司:「つべこべいってないで、話をとって来い!」
部下:「そうは言っても……」
この会話の特徴は、意図が具体的でないところです。部下の答えがあいまいで、どんな状況なのかが伝わってこないところに問題はありますが、上司からの問いかけが何を目的としているのかがはっきりしていません。現状を把握したいのか、見込みを聞きたいのか、部下のやる気を引き上げたいのか、など、目的がはっきりせず、質問が大雑把なところにも問題があります。
この場合はできるだけ、意図を明確にした具体的な問いかけをすること。そうすれば、部下が詳細に答えられるようになります。
上司:「A君、B社の新規案件だけど、回答の15日を過ぎているがどんな状況だ?」
部下:「その件ですが、まだ返答いただいていないんです」
上司:「たしか、予算の件で上層部と話をつけて返事をくれることになっていなかったか?」
部下:「はい。ただ、上層部と話をするアポイントがとれなくて返事待ちなんです」
上司:「上層部との話はいつまでにするのか確認して報告をしてくれよ」
部下:「そうします」
このように、進捗を知りたいという意図を会話に持ち込めば、あいまいな言い訳はしにくくなります。質問の仕方によって会話に方向性を持たせることができます。